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アートリンク谷中と谷中芸工展2007

ここのところばたついていまして、久方ぶりのブログです!
さて、先月夏ばてとか何やら言っておりましたが、今日からぐっと秋になりましたね。
おまけにしとしと雨が昨日から降りました。
知人が3人パフオーマーでそのうちひとりは始終野外という、ちょっと悪天候の中ではあったものの幸いにして曇りに変わり、昨日谷中で15時からパフォーマンスが展開されました!

そのトップバッターは山岡佐紀子さん、最近塩を使用することが多い彼女は、最初に袋に塩をたっぷり入れ、それを持って壁や床にぺったりはいつくばり、自分の形をチョークでなぞる。そのあと、ひとりずつ観客を誘い、勝手にポーズをつけてもらい、彼女がチョークで体型を床になぞる。また誘った観客の間には必ず自分もポーズを取ってなぞる行為をひたすらミニマルに行う。途中からは狭い会場から路上までその行為が続き、観客を笑わしていた。何ともホンワカさと大胆さが入り交じり、これはまだ近所のお裾分けが息づいている谷中を現したとのこと、何ともほほえましい。

次にその山岡さんから塩をバトンタッチして行われたもうひとりのパフォーマー、
イトー・ターリさんが大胆にも大きく一声張り上げて、観客の中に2度身体ごとジャンプして入り込む。
また舞台の上に立ち、壁に張り付いているラテックスを剥がしながら自分を覆いまとう。その通気性のないゴムのようなそれをぐるぐるに覆う行為は観ているこちら側も息苦しい。おまけに彼女は身につけている衣装もラテックスで出来ていて更にその上を巻き付けているのだからなおさらだ。
今度は巻き付いたそれをもがきながら引き裂き、数分後にやっと開放された。
とはつかの間、今度は床にも張り付いているラテックスを少しはぎ取って中に入り、四隅を観客に手渡し引っ張ってもらう。
これを私も手伝うことになり、あまりにも自分の握力のなさにびっくりする。
見かねて後ろから知人のトキさんが一緒に引っ張っていただいたお陰でなんとか維持する。
徐々にラテックスが床からすべて剥がれ、ターリさんの一声で皆が手からそれを離す!
一瞬にしてラテックスはほんの小さな存在に生まれ変わってしまった。
まるでくしゃっとした紙くずのように。
彼女が、いえ人々が普段感じているさまざまな不平不満を一気に吹き飛ばしたかのような作品だ。最初から最後まで息のつけない熱いパフォーマンスだった。

そして場所は野外に変わる。前者お二人はアートリンク谷中での参加作品で、今度は谷中芸工展からの参加者、小林未来さんが近辺の原っぱで創作舞踏を行う。
最初後ろ向きに何かはにかむようにビニール傘を手に持ち、開いた傘の上に白い布をのせてたたずむ。
あたりからゆったりとしたささやくような音が流れ、そのリズムに乗って舞う。
そのうち布を手に取り、地面に落とし、開いた傘を持って優雅に踊る。
ある時は楽しげに、またある時はアンニュイな趣で。
地面は石ころもたくさんあり、紫のタイツのみで靴を履いていなく、それでも痛々しい表情ひとつ見せずに淡々と踊る。
音は徐々に重くなる。
それと同時に傘を閉じ、地面に突き刺す、だが傘はぱたっと倒れる。
石ころも拾い上げてはぽとっと落とす。それらの行為を3回ほど繰り返す。
音も時々止まってはまた繰り返す。
何かやるせなさを感じている。
それからまとっていた白いスカートをとり、ミニスカートで今度は舞う。
最後に白い布を地面から手に取り、身体にまとう。
何かさなぎのよう。
小林未来さんの作品もイトー・ターリさんとは違った行為で社会批判を訴えたかのような作品だ。
ただこちらはあくまでもしっとりと。

今回これらの3人のパフォーマーのそれぞれ全く違った個性が赤裸々に出ていて、非常に楽しく観覧しました。
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by art-pm | 2007-10-09 19:14 | Comments(0)

美術家・坂内美和子のブログです。日々感じたこと、見たことや、アート制作、展覧会の案内、絵画教室アトリエMIWAのことなど


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